御坂くん、溺愛しないで。



「いいなぁ、理玖だけ応援あって」
「俺だけの応援じゃないだろ」

「どの口が言うんだか。
そういえば秀太さんの彼女さんも来てたな」


ズキズキと胸が痛む中、突然琴葉の話題へと変わる。

私の隣に立っていた琴葉が恥ずかしくなったのか、一歩後ろに下がった。


「秀太にも彼女ができたって羨ましすぎんだろ…しかも中学から仲良いらしいぜ」

「てか気になったんだけど、秀太の彼女さんの隣にいたのって木原咲ちゃんだよな!?」


さらには私の名前まで出てきて、琴葉よりも後ろへ下がる私。

またギャラリーへの階段をのぼる勢いだ。


しかも私の名前を出してきた人は、関わったこともない三年生で。

さらに恐怖心が掻き立てられる。


「あんなかわいい子の私服が見れてラッキーだな。
てか誰の応援来てたんだ?付き添い?」


私の話題になってしまい、さらに御坂くんの元へと行きにくくなる。

いっそのこと琴葉に任せてその場を去ろうかと考えたその時。

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