御坂くん、溺愛しないで。
「今から着替えた後ミーティングがあるんで、まだ時間はかかりますがこの辺りで待っててください」
「えっ…」
それって、一緒に帰ろうという誘いだと受け取って大丈夫なのだろうか。
「絶対に待っててくださいね」
「は、はい…」
私が驚いた声をあげたからだろうか。
念を押すようにもう一度『待っててくれ』と言われてしまった。
それからやっぱり御坂くんの声は低く思えて、首を傾げる。
「あー、咲が理玖を怒らせた」
「わっ、琴葉!びっくりした…」
私が御坂くんの元へ行った時、琴葉も筧くんのところへ行っていたはずだけれど話が終わったのだろうか。
「筧くんは?」
「理玖と同じで着替えに行ったよ。
それより咲のバカ、理玖怒らせて」
「へ…御坂くん、怒ったの?」
とはいえ怒らせた記憶はない。