御坂くん、溺愛しないで。



「わかってないのが罪ね、バカ。
あんな温厚な理玖が怒るとか初めて見た」

「待ってよ、私のせい?」
「当たり前でしょ。反省しなさい」


そんなこと言われたって、本当に心当たりがない。
そのため余計に焦ってしまう。

御坂くんに嫌われたらどうしようって。



「でも私、理由がわからなくて…」
「まあ考えたらわかるでしょ」

「わからないもん」
「じゃあ理玖の機嫌は直らないままだね」


見る限り、琴葉はその理由がわかっているようで。

頑張って教えてもらおうとするけれど、ヒントすら教えてくれようとしない。


気づけば時間だけが過ぎていき、着替えとミーティングを終えたバスケ部のみんながぞろぞろと帰り始めていくのが見えた。

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