御坂くん、溺愛しないで。
「御坂くんと少しでも長くいたいって、思っただけだよ」
御坂くんがバスケに入部して以来、彼との時間はなくなるばかり。
そのためこの時間はとても貴重なものである。
「そんな素直も困ります…」
「じゃあどうすればいいの?」
「黙っててください」
「むっ、それはずるい」
黙れだなんてひどいものだ。
それでも御坂くんは少し照れているため、仕方なく口を閉じる。
そして私たちはいつもと違う道を通りながらも、確実に私たちの家へと近づいていく。
「……先輩」
「なんですか」
「俺の家に近い公園に行っていいですか?」
「公園?」
「そこで先輩と話がしたいです」
ドキッとした。
御坂くんの言葉に。
そして無意識のうちに期待を抱く私がいて。