独占欲強めな弁護士は甘く絡めとる

 それじゃ懐かない猫じゃなくて、寂しがりの犬じゃない!

「ご、ごめんなさい」

 これ以上この雰囲気に耐えられる自信がなくて、私は急いで頭を下げ給湯室を飛び出した。

 心臓の音が高い。体の中心から送り出される血液が、どくどくとスピーカーのように全身にとどろいて胸を震わせる。

 自分の席に戻って書類を広げても、まったく集中できなかった。少しすると峰島先生の残念そうな顔がよみがえってしまう。

 パソコン画面に向き合っても書類を整理しても、私の頭は壊れたレコーダーみたいに彼の表情を何度もリプレイした。






< 100 / 181 >

この作品をシェア

pagetop