独占欲強めな弁護士は甘く絡めとる

 再び漂う短い沈黙に、今度は不安がこみ上げる。つい顔を上げた瞬間、胸が締め付けられた。

 峰島先生はさっきと打って変わって表情がなかった。いや、いつもみたいにつんとした無表情ではなくて、どこか寂し気というか。

「……そうか」

 つぶやいた声が弱々しくて、胸が痛くなる。自分が彼にとんでもなくヒドイことをしているような気になった。

 今のは嘘です、時間はたっぷりあります! と言いそうになる気持ちをどうにか押しとどめる。

 体の横でぎゅっと握りしめた手が震えた。

 どうして、そんなふうに残念そうな顔をするの。

 いたたまれなくて、目を伏せる。

 峰島先生の頭に垂れた耳が見えたような気がして、幻影を振り払うようにきつく目をつぶった。

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