独占欲強めな弁護士は甘く絡めとる

 それまではただの弁護士とパラリーガルで仕事の話しかしたことがなかったのに、急に距離が近づいて体の関係を結んだり、食事に誘われるようになったり……。

 その事実だけを考えれば恋人同士と思えなくもない。

 でも、私と峰島先生の心は、向き合ってはいない。

『冨永さんにしか話してないから、誰にも言うなよ』

 彼の話が恋の打ち明け話だったにしても、そこから私のマンションに向かうまでの間に起きた出来事がわかれば、今の状況にも説明がつく。

 酔った勢いでともにした一夜の、ただの延長なのか。

 それとも、彼と私のあいだに何か甘いやりとりがあって、私にもまだ希望がある状態なのか。そうたとえば、久世さんのことをあきらめて私の方を向こうとしてくれているとか。

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