独占欲強めな弁護士は甘く絡めとる

 やっぱり、峰島先生は私になにか悩みを相談してくれていたのだ。それなのに、私はそれをまるごと忘れてしまった。

 改めて自分のふがいなさに情けなくなった。

 相談事が久世さんのことなのかどうかはわからないけど、彼はきっと真剣な気持ちで私に打ち明けてくれたにちがいない。

 それなのに……。

 目の前のグラスを勢いよく引き寄せて、ぐいとあおった。バーテンダーの女性がぎょっとしたように目を見開く。

「お、お客様」

「すみません、おかわりください」

「え、でも」

「大丈夫。このあいだほどは酔いません」

 だって今はとなりに彼がいない。

 緊張をごまかす必要も、自分を制御する必要もない。


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