独占欲強めな弁護士は甘く絡めとる


 それから二時間は経過しただろうか。

「だから、私みたいなダメな女は彼のそばにいちゃいけないんです」

 私が何杯目かのカクテルをコースターに置くと、バーテンダーのサトカちゃんがグラスを磨きながら苦笑した。客席は半分くらい埋まっているけれど、彼女は仕事の合間を見て私の話に付き合ってくれている。

「でも優梨子さんと一緒にいたときの彼は、すごく穏やかな感じでしたよ。職場ではつんつんしてるなんて驚きです」

 飲んだカクテルの数を数えられなくなったあたりから、体がふわふわと心もとなく浮かんでいるような気がした。いつもどおりだ。

 お酒はそんなに弱くないけれど、ある程度飲んだあとは気持ちが大きくなってくだらないことで大笑いしたり、かと思えばなんでもないようなことで涙が出てきたり。仕事や私生活でなるべく冷静に振る舞おうとしている反動なのか、感情の振り幅が大きくなる。

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