独占欲強めな弁護士は甘く絡めとる
「いえ、そうじゃなくて」
うまい言葉が見つからず、私は彼から視線を逸らす。
どうしよう、誤解してる。
……でも待って。
たとえ事実はちがっても、私が香坂先生と飲みに行ったところで、峰島先生から責められる理由はない。だって私たちは付き合っているわけじゃないのだ。
だから、申し開きをする必要だってないはず。
そう思って顔を上げた私は、そのまま固まった。
薄暗いフロアで、彼の表情ははっきりとは見えない。それなのに、大きな瞳に射すくめられる。静かで揺らがない青色の炎を燃やしているような、強い視線に。
「あの人の前でも、俺のときみたいに乱れた?」
「え――」