独占欲強めな弁護士は甘く絡めとる

 開きかけた口を突然塞がれた。

 強引に押し付けられた唇にこじ開けるように口を開かされ、柔らかな舌が滑り込んでくる。いきなりの深いキスに、頭が真っ白になった。

「みっ、ん」

 口にしようとした言葉は、声にしたそばから吐息に変わってしまう。

 後頭部を抱えられ、逃げ場がないまま舌を捕らわれる。絡ませたり、なぞったり、器用に動き回って、私の思考力を奪おうとする。

「や」

 唇が離れたと思ったら、峰島先生はそのまま私の鎖骨に吸い付いた。舌が這う感触に背中が痺れ、同時に強い焦りが胸を走った。

「や、待ってください!」

 もうみんな帰ったとはいえ、ここは職場だ。しかもアソシエイトルームはガラスの壁で通路と仕切られているのだから、誰かが戻ってきたりしたら丸見えになる。

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