独占欲強めな弁護士は甘く絡めとる
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事務所からタクシーで十分、有名大学やオフィスビルが立ち並ぶ東京二十三区のほぼ中央。住居なんてあるのかと思うような地域に、峰島先生の住む高層マンションは建っていた。
ターミナル駅へのアクセスが良いこの場所は、きっと恐ろしく地代が高いはずだ。
築浅のようだし、家賃は私の手取りの二倍くらいするかもしれない。なんてことを考えているあいだにエレベーターから下ろされ、玄関内に引っ張り込まれていた。
「あ、あの」
言葉を発する間もなく唇を重ねられ、抱きしめられる。
自動で点灯した照明に映し出されたそこは、マンションの一室とは思えないくらい天井が高かった。
峰島先生の肩越しに見える高級マンションの室内風景に呆気に取られたのもつかの間、すぐにまた整った顔に視界を塞がれる。