独占欲強めな弁護士は甘く絡めとる


 暗闇の中、赤や黄色やオレンジ色の光に縁取られてビルや道路が描かれている。

 昼間に見下ろしたらどんな景色が広がるのだろうと思いながら、ぼんやり窓の外を見ていると、リビングのドアを開けてスウェット姿の峰島先生が現れた。

 自宅でのラフな格好に、お風呂上がりに濡れた髪をかき上げる仕草。初めて見る彼の一面はとても現実的で、それでいてやっぱり美しかった。基本的に姿勢がまっすぐで、顔も体も均整がとれているからかもしれない。

「優梨子も入るだろ?」

 バスルームに案内してくれようとする彼に、首を振る。

 一緒に入ることを断ったから、ひとりずつ入るつもりでいたのだろう。

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