独占欲強めな弁護士は甘く絡めとる
ソファもセンターテーブルも雑誌や書類が積み重なっているし、その周辺にもファイルやらパソコン用のケーブルやらが散らばっていて、座れるスペースは見当たらない。
「……ひとまず、カウンターのスツールに」
ベッドルームもそうだったけれど、広めの2LDKの部屋は散らかっているというわけではないけれど、なんとなく雑然としていた。家具自体はすっきり配置されているのに、物があちこちに散乱している。
「片づける暇がないから、なるべく物を置かないようにしてんだけど、仕事の書類は仕方なくて……」
言い訳じみたセリフを口にする彼の気まずそうな顔は、なんだか少しかわいい。
こんなふうに彼の私生活をのぞき見ると、ますます彼への想いが強くなってしまうのにな、と半ばあきらめにも近い感情で思う。