独占欲強めな弁護士は甘く絡めとる
肌を合わせながら何度も名前を呼ばれる度に、彼も私を想ってくれているのだと錯覚してしまうみたいに。
それとも、錯覚じゃないのかな。
こうやって、もう何度も同じことを考えている気がした。
峰島先生は、私のことを好きになってくれているんじゃないかな。そうじゃなければ、私が彼に求められている理由は……やっぱりただ、体の熱を発散するため?
たとえば、名前と一緒に「好きだ」とひと言口にしてくれれば、私はこんなに悩まずにすむのだろうか。
「峰島先生……」
私が呼びかけると、キッチンカウンターの向こうで冷蔵庫を開けていた彼が振り返る。
私のこと、好きですか?
「『手が届かない人』には、近づけましたか?」
訊きたい内容とは真逆のセリフが口から飛び出して自分で驚きながらも、言葉は止まらなかった。