独占欲強めな弁護士は甘く絡めとる
きっと峰島先生は私の気持ちを知っているのだ。惚れた弱みにつけこんで、私を利用しようとしている。
でもいくら私が峰島先生を好きだからって、真正面から代用品と言われて、関係を続けられるはずがない。
「私、帰ります」
「えっ⁉」
きっと、最初からこうするべきだったのだ。
スツールから下り、荷物を持って玄関に向かう。
「お、おい」
パンプスを履いてから、慌てたように追いかけてきた彼に向き直った。完璧なバランスで配置された顔面のパーツは、こんなときでも歪まない。まつ毛の長い強い瞳をしっかり見据えて、私は自分の心に鞭打つ。
ずっと憧れていた峰島先生が、私を見てくれた。優しく抱きしめてくれた。オフィスでは見せない顔を私に見せてくれたことがうれしくて、舞い上がって、私は心の冷静さを欠いていたのだ。