独占欲強めな弁護士は甘く絡めとる
 …

「全部覚えてないって……本気かよ」

「大変申し訳ありません……」

 散らばっていた雑誌や資料を取り急ぎ片づけて確保したソファの狭いスペースに腰を下ろし、峰島先生は長い足を組んでいる。その正面の床に正座する形で私はうなだれていた。

 となりに座れと言われたのだけれど、とてもそんな気にはなれなかったのだ。

 はあーっというため息が、頭上から圧迫するように降りかかってくる。

 もういっそ床にひれ伏したい気分だった。

「どうりで……」

 苦々しい声に目を上げると、視線がぶつかった。大きな瞳はさっきのように怒りに満ちているというよりは、困惑しているという感じだ。

 これはもう、あきれられても仕方ない。

< 155 / 181 >

この作品をシェア

pagetop