独占欲強めな弁護士は甘く絡めとる
「答えないってことは、やっぱり飲んだだけじゃなくて……俺のときみたいに酔った勢いで」
「ちがいます、ちがいます!」
あらぬ方向に想像力を膨らませる彼に、あわてて両手を振った。
「香坂先生とはバーでたまたま会っただけで、一緒に飲んだわけではないです。あちらには、お連れの方もいましたし……」
「てことは、優梨子はひとりで飲みに行ってたのか。なんだよ、それなら俺と一緒でもよかったじゃないか」
「峰島先生とは、一緒に飲みたくなかったんです……」
声がしぼんだ。見ると、彼はひどく不機嫌そうに私を見下ろしている。
「先生じゃなくて、蒼史」
ぴしゃりと言われて、怒っているのは話の内容ではなくて、峰島先生と呼んだことに対してなのだと気づいた。もしかすると彼は、弁護士とパラリーガルという立場の差をなくして、対等に私と話そうとしているのかもしれない。