独占欲強めな弁護士は甘く絡めとる

「もう『蒼王子』怖すぎ! しかも今日中って! ほかにも今日中にやんなきゃいけないことがあるのにぃ!」

「だ、大丈夫ですよ、私も手伝いますから」

 彼女は自分のキャパを越える業務量を頼まれると時々パニックを起こす。なだめながら画面上で手続き書類のフォルダをクリックしていると、長澤さんが勢いよく振り返った。

「ていうか、なんで私は呼び捨てなのに冨永ちゃんは『さん付け』なわけ⁉ 私の方が彼より年上なんだよ? むしろ冨永ちゃんは年下じゃん! 私の扱い、雑すぎない⁉」

 納得いかないと首を振る彼女の背中を「まあまあ」と叩いて落ち着かせながら、内心でつぶやいた。

 それは、彼が最低限の礼儀を重んじる人だからです。

 峰島蒼史は口も態度も悪く、所員に対しては基本的に呼び捨てだ。

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