独占欲強めな弁護士は甘く絡めとる
最寄り駅から大通り沿いを歩いて十分、私が住む低層マンションは三階建てでエレベーターがない。街灯が照らす通りを折れ、マンションの外階段を最上階までのぼったところで足を止めた。
一番奥、私の部屋の前に人影がある。玄関脇にもたれるようにして携帯を見ていたその人が、こちらを向いた。廊下の電灯に浮き上がった端正な顔に、心臓が跳ねる。
「み、峰島先生……」
「遅い」
不機嫌そうにつぶやいて、弁護士王子様は携帯をポケットにしまった。
「どうして、ここに」
「また来るって言っただろ」
たしかに彼はつい一週間前、そう口にしてこの場所から帰っていった。
「でも、こんなに急に」
「メッセージ送ったけど、既読にならなかった」