独占欲強めな弁護士は甘く絡めとる

 私はあわててバッグから携帯を取り出した。未読のメッセージを確認して彼に向き直る。

「すみません、気づかなくて」

 携帯は基本的にサイレントモードにしているし、十九時にあずさと落ち合った後はバッグにしまったままだった。彼女と会っていたのは二時間くらいだけど、峰島先生はどれくらいここで待っていたのだろう。

 自分の部屋の前にいる王子様をぼんやり見つめていると、彼は微かに口角を上げた。

「……部屋に上げる気はないって?」

「えっ」

「まあ、俺が勝手に来て、勝手に待ってただけだしな」

 ため息をつくと、足元のカバンを拾い上げる。

「わかった。帰るよ」

「まっ」

< 33 / 181 >

この作品をシェア

pagetop