独占欲強めな弁護士は甘く絡めとる

 通り過ぎようとするスーツの腕を、とっさに掴んでしまった。顔を上げるとすぐ目が合う。オフィスではありえない近さに、勢いで触れた手が震えそうだった。照明が映り込んだ真っ黒な彼の瞳は、微かに揺れている。

「コーヒー……淹れます」

 峰島先生の目がわずかに緩んで、とたんに顔が熱くなった。

 視線を感じながら、玄関の鍵を開ける。

「あの、どうぞ。ちょっと散らかって」

 室内に入って振り返った瞬間、肩を掴まれた。そのまま壁に押し付けられる。

 降り注ぐ照明から私を隠すように正面に立った彼は、つるりとした頬に深い陰影をのせてじっと視線を注いできた。

 恐ろしく整った顔に至近距離で見下ろされ、胸が震える。

「あ、の……?」

「酒、飲んでる?」

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