独占欲強めな弁護士は甘く絡めとる

 そんな考えに気持ちが沈んでいく。コーヒーのマグカップを両手で握りしめながらセンターテーブルの角を挟んで隣に座ると、彼がベッドにもたれながら私に向けて手を伸ばした。

「ほら」

 差し出された便せんが目に入る。ためらいながら受け取って、広げてみた。

 そこには鉛筆書きの大きな文字が並んでいた。未就学児を思わせる筆跡の最後には、女の子の名前とともにハートマークが書かれている。

「あおしせんせい、だいすき。なかやま、かのん」

 差出人の名前まで読み上げてから、はっとした。この名前は確か。

「この女の子って、去年の事件の……交通事故で亡くなった男性の娘さんですか?」

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