独占欲強めな弁護士は甘く絡めとる

 私がそれを知ったのは、一年半前に駅で偶然会った依頼人の男性から、峰島先生宛の感謝の手紙を受け取ったことがあるからだ。

 事務所ではつんつんしていて誰にも心を開かないけど、苦境に立たされている人たちのためには忙しい時間を割いて心を砕く。

 いつも不機嫌な蒼王子は、本当は誰よりも温かくて、誰よりも優しい。

 胸が締め付けられる感覚を覚えながら便せんを丁寧にたたんで返した。小さな女の子からのラブレターを受け取ると、彼は私に目を向けたまま思いがけないことを言った。

「さっきの、もう一回言って」

「え?」

 きょとんと目をまたたく私に、弁護士先生は手にした便せんをもう一度開く。

「読んだだろ、ここ」

 女の子の愛らしい名前の横に書かれた文字を指さして、続けた。
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