独占欲強めな弁護士は甘く絡めとる
「む、無理です」
ただ手紙を読み上げるだけとはいえ、本人の目を見ながら『好き』なんて、恥ずかしすぎて口にできない。
高鳴りを落ち着けようと胸に手を当てていると、ふっと小さく笑う声が聞こえた。目に入った彼の表情は、オフィスで見るよりもわずかに柔らかい。
「そういや試験勉強はしてんの? 直前なのに飲みに行くなんて余裕だな」
本棚に行儀よく並んだ六法全書や論点整理の本を眺めてから、峰島先生は私に視線を戻す。
「先週あたり、模試があったんじゃないか?」
まっすぐな瞳に気後れして、私は目線を外した。
「……いえ」
司法試験の受験資格を得るためにはふたつのルートがある。法科大学院を卒業するか、予備試験に受かるかだ。