独占欲強めな弁護士は甘く絡めとる

「え、あの」

「もう会計済ませたから。帰るぞ」

 前を行く彼は反対の手に自分のカバンと私のバッグを一緒に持っていた。小さなエレベーターに乗り込み、私の腕を掴んだまま怒ったように言う。

「調子が悪いなら無理して付き合うなよ」

 通りでタクシーを停めると私を押し込むようにして、一緒に乗り込んできた。

 慣れた様子で私のマンションまでの道のりを指示する峰島先生に、あわてて声をかける。

「あの、送ってもらっても、私今日は……」

 運転手の目が気になって、それ以上口にできなかったけれど、弁護士先生は察しがいい。

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