独占欲強めな弁護士は甘く絡めとる

 見ると事務机の上におしゃれなデザインのアイスカップがたくさん並んでいた。色違いのそれらを見つけて、雪絵と長澤さんが歓声を上げる。

「わ、やったぁ。ちょうど食後のデザートが食べたかったんですよねー」

「うわ、ヘレンの高級アイスじゃない! さっすが香坂先生!」

 アイスをいくつも手に取ってフレーバーを確認する彼女たちを横目に、私はあたりを見回した。

「それで、当の香坂先生はどちらに?」

 私の質問に、笠井さんはおどけたように首をすくめてみせる。

「それが差し入れ置きに事務所に寄っただけだったみたいで、すぐクライアント先に行っちゃったわ」

「そうなんですね。あ、アイス余りますよね。私、冷凍庫に入れてきます」

 雪絵と長澤さんが選び終わってから、残っている手つかずのカップを紙袋に戻した。

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