独占欲強めな弁護士は甘く絡めとる
軽く周囲を見回すと、嬉しそうにチョコレートアイスを口に運んでいる赤賀先生しか弁護士先生の姿は見当たらない。
みなさん外出か。じゃあ戻ってきてから食べるかな。
両手で持った紙袋の中を覗きながら、私はどのフレーバーにしようかなと考えていたら、給湯室に入る手前で後ろから声がした。
「お、いいもん持ってる。それ食っていいの?」
伸びてきた手が紙袋からアイスをひとつ取り出して、どきりとした。振り返ると、すぐそばに整った顔がある。
「み、峰島先生……いつお戻りに」
「たった今」
そう言って、彼は私を押し込むようにして給湯室に入った。鼻歌でも歌いそうな勢いで引き出しからシルバーのティースプーンを取り出す彼を、まじまじと見つめる。