独占欲強めな弁護士は甘く絡めとる
こうやってゆっくり顔を合わせるのは、ずいぶん久しぶりな気がした。それもそのはず、前回誘いを断ってから一ヶ月以上が経過している。
私が話しかけられる隙を作らないようにしていたせいもあるけれど、ここのところは峰島先生も夏季休暇前の駆け込み仕事で相当忙しかったに違いない。
だから、油断していた。
極力、ふたりきりにならないように気を付けていたのに。
「それ、早くしまわないと溶けるんじゃないか?」
スプーンをくわえながら言われて、はっとする。
「そうでした」
わが家のひとり暮らし用とそんなに寸法の変わらない冷凍庫の引き出しを開けてアイスをしまい込み、気づかれないように深呼吸をする。それから、不自然にならないように笑みを浮かべて振り返った。
「では、私は仕事に」
戻ります、と言い終える前に、峰島先生が声を弾ませる。