三時は特別な時間
恒音は驚いて、一瞬夢じゃないかと思った。しかし、目の前のシオンは顔を赤くし真剣な表情だ。

恒音はゆっくりと首を縦に振る。こうして、恒音とシオンの恋が動き出した。



恒音とシオンの恋は、周りに比べればとてもゆっくりとした進展だった。

初めて手をつないだのは、付き合って二ヶ月のこと。キスは付き合って半年後だった。デートは月に一回。映画館やテーマパークに遊びに行くよりも、ハイキングやフレンチリバーなど自然豊かな場所へ行くことが多い。

「二人の恋って、本当にゆっくりよね〜」

友達からはそう言われるが、恒音はあまり気にしてはいない。シオンと時間をかけて仲良くなっていくのが幸せなのだ。

そんなある日、恒音とシオンは「赤毛のアン」の舞台となった建物「グリーン・ゲイブルズ・ハウス」があるPEI国立公園を訪れた。もちろんデートをするため。

「うわぁ〜、きれいだな〜」

「赤毛のアン」の大ファンの恒音は、はしゃぎながら「グリーン・ゲイブルズ・ハウス」を見つめていた。
< 6 / 12 >

この作品をシェア

pagetop