三時は特別な時間
「……明日かぁ」

一日遅くなるだけなのに、早く会いたくてたまらない。恒音は高鳴る胸をそっと押さえた。

ピーミールベーコンを焼き、スクランブルエッグを作る。パンとサラダも素早く用意した。シオンといたおかげでのんびりすることが多いが、料理と仕事は恒音は素早く動ける。

カエデにもご飯をあげ、洗濯物を干した恒音は、シャーロットタウンに買い物に行くことにした。島の経済と文化の中心となっている小さくて可愛らしい街だ。緑豊かで古い街並み、海沿いの遊歩道、可愛いギフトショップが全て徒歩で楽しめる。

「行ってきます」

カエデの頭を撫で、恒音は家を出た。本当なら今日隣にシオンがいるはずだった。左側がどこか寂しい。

恒音はギュッと唇を噛み締め、歩き出した。



買い物を済ませ、お昼も食べ、恒音は家へと急いで帰る。録画をしていたドラマのことを思い出したからだ。

三角屋根のかわいらしい自分の家が見えた時、恒音は目の前にいた人物に驚く。荷物が手から落ち、ゴトッと音を立てた。
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