追放された悪役令嬢ですが、モフモフ付き!?スローライフはじめました

「アイリーンお姉様、美味しゅうございますわ! 王都のパティシェにだって引けをとりません! こちら、持ちかえり用でワンホールお願いいたしますわ!」
「ホール販売は事前予約のみなのよ」
「では明日、開店一番でまいりますわ!!」
「分かった、用意しておくわね」
 翌々日も、そのまた次の日も、私は元同級生……特にリリアーナの取り巻きだった面々の接客に追われた。
 そうしてエヴァンの再来店から数えて二週間目、もっともリリアーナを崇拝していたロベールを客として迎えていた。
「実に興味深い! この村の苺栽培の仕組みと、苺農業組合の販売強化対策は秀逸です! この村の苺の商品価値に最初に目を付けたのが僕ではなくエヴァンだった事が悔やまれてなりません。そしてなによりアイリーン、君がこんなに素晴らしい菓子作りのスキルを有していようとは! ……はぐっ、もぐもぐ。……あぁなんと美味だ。このパイとこの村が、僕という人間を新たな境地に臨ませる!」
「……ロベール、たしか明後日から試験じゃなかった? 勉強しなくて、というよりも、リリアーナにヤマを張ってあげなくていいの?」
 ストロベリーパイを頬張りながら熱弁するロベールに水を向ける。ちなみにロベールも『桃色ワンダーランド』における攻略対象の一人で、見た目を裏切らないメガネキャラで、学園一の秀才だ。

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