追放された悪役令嬢ですが、モフモフ付き!?スローライフはじめました
「イデッ! ……わ、悪かった。今のはほんの冗談だ、だから俺に八つ当たりをするなよ。な? 元気出せって」
「……グァォオオオオ――ンッッ!!!!」。
「って、声帯だけ獣化してほえるって、どんだけ器用なんだよ!?」
「クゥウン……。キュゥッ、キュゥン……」
宴会場から漏れるふたりのやり取りを、遠く背中に聞きながら、私は真っ直ぐにカフェを目指した。
……私はもう、都合のいいゲームの世界に夢は見ない。しっかりと堅実に、『今の現実』を生きていく。
そのためにも、カーゴには申し訳ないけれど、プリンセスの座はひとまず回避だ。
「もちろん、プリンスとした約束は有効で、永久予約をしたモフモフ天国を返上する気はないんだけど……。まぁ、とにもかくにも、今はますますカフェを盛り立ててがんばらなくちゃ! まだ、これからがかき入れ時だもの!」
希望に満ちた明日の未来に向かって、私は大きく一歩を踏み出した――。


