追放された悪役令嬢ですが、モフモフ付き!?スローライフはじめました
……くらくらした。
美貌の皇子様が私の手に口づけて、甘やかに微笑む。この瞬間、まるで自分が恋愛シュミレーションゲームの中のプリンセスにでもなったような、そんな心地が……ハッ!!
「ご、ごめんカーゴ! 私はもう、ゲームからは綺麗さっぱり足を洗ったのよ! だから、プリンセスなんてとんでもないわ!」
「待ってくれアイリーン、それは――」
――コンッ、コンッ。
「おいカーゴ、帰れるか? そろそろ次の宴会の準備に取り掛かるそうだぜ」
その時、ノックと同時に扉が開き、ルークがひょっこりと顔を出す。
「とにかく、私、もうお店に戻らなくっちゃ! それじゃあね!」
「待ってくれ、アイリーン――!」
「うおっ!?」
ルークが開く扉の隙間からヒラリと身をすべらせると、私はカーゴの制止を振り切って、脱兎のごとく宴会場を飛び出した。
「……なんだぁ、今の? まるで逃げるように……ははーん? さてはお前、なんか彼女の機嫌を損ねるようなちょっかいを……って、なにしやがる!?」
――ペチコンッ!