偽恋人からはじまる本気恋愛!~甘美な罠に溺れて~
演奏は時間のある時は五、六曲弾く。お客さんのリクエストなどを聞いてそれに応えると皆、喜んでくれる。
「今夜の演奏もよかったよ、また聴きたいな」
「ありがとうございます」
お客さんにそう言ってもらえると本当に嬉しい。この時ばかりは自分が認められたような気がして、ピアノを続けていてよかったと思えた。
演奏を終えると今日も一日終わったという気持ちになる。お客さんたちに挨拶をしてカウンターに座ると、叔父が笑顔でいつものモスコミュールと特製オムレツを持ってきてくれた。
「お疲れ様、今夜の演奏はアップテンポで店の中で踊ってる人もいたぞ。ほら、これ食っていきな。夕飯まだなんだろ?」
「わぁ、美味しそう! ありがとう、実はお腹ペコペコで……」
ふんわりとしたオムレツの匂いに食欲をそそられ、モスコミュールでまずは喉を潤す。
「そうそう、愛美ちゃん、またラブレター来てるぜ、それと花。サラリーマン風の人が昨日来て、愛美ちゃんに渡しておいてくれってさ」
「あ、う、うん……ありがとう。でも私、そういうのは……」
「だよな」
案の定、私がそう言うと思ったのか、叔父は淡いピンクのスイートピーのブーケを手にして眉尻を下げた。
「今夜の演奏もよかったよ、また聴きたいな」
「ありがとうございます」
お客さんにそう言ってもらえると本当に嬉しい。この時ばかりは自分が認められたような気がして、ピアノを続けていてよかったと思えた。
演奏を終えると今日も一日終わったという気持ちになる。お客さんたちに挨拶をしてカウンターに座ると、叔父が笑顔でいつものモスコミュールと特製オムレツを持ってきてくれた。
「お疲れ様、今夜の演奏はアップテンポで店の中で踊ってる人もいたぞ。ほら、これ食っていきな。夕飯まだなんだろ?」
「わぁ、美味しそう! ありがとう、実はお腹ペコペコで……」
ふんわりとしたオムレツの匂いに食欲をそそられ、モスコミュールでまずは喉を潤す。
「そうそう、愛美ちゃん、またラブレター来てるぜ、それと花。サラリーマン風の人が昨日来て、愛美ちゃんに渡しておいてくれってさ」
「あ、う、うん……ありがとう。でも私、そういうのは……」
「だよな」
案の定、私がそう言うと思ったのか、叔父は淡いピンクのスイートピーのブーケを手にして眉尻を下げた。