君のとなりで恋をします。─上─
「……桜河のバーカ!」
恥ずかしすぎて居た堪れなかった私は、訳もなく桜河に憎まれ口を叩いてそのまま海へと駆ける。
だってあんなの…ずるいよ……。
はぁ…
可愛い、かっこいい、好き…。
「おいこら、お前は浅瀬までな?」
私のすぐ後ろをついてきていた桜河が、私の後頭部をペシっと叩く。
「えー、私も深い所まで行きたいのに。」
「あほか。お前、カナヅチだろ。
溺れても助けてやんねぇぞ?」
ぐぅ…何も言い返せない。
たしかに泳ぐのは苦手だし…
てゆーか…もし誰かが溺れた時、桜河が助けないで誰が助けるの?