君のとなりで恋をします。─上─
「買いに行こっか!
私、いちごミルクー!」
「香純はいっつもそれだもんね(笑)」
咲花とキャッキャとはしゃぎながら、海の家に向かう。
「あ、ねぇ柊吾。
私泳げないから───────────」
‘浮き輪を借りてもいいかな?’
そう言いかけたところを、誰かの声によって遮られる。
「──────柊くんっ!」
高くて可愛らしい声に私も咲花も振り返る。
真っ白な水着に包まれた大きな胸を揺らしながら、こちらに駆け寄る美少女。
彼女はそのまま柊吾の腕に、自分の腕を絡める。
彼の腕に押し付けられた胸。
綺麗に肩の長さに整えられた艶やかな黒髪。
上目遣いの瞳に、うるっとした唇。
心臓が嫌な音を立てるのがわかった。