君のとなりで恋をします。─上─
幼稚園児と先生のような葵斗と咲花の会話を聞きながら、柊吾のことを考えていた。
…今、二人きりでいるんだよね。
あの様子からして…桃奈さんは、絶対柊吾のことが好き。
私に向けられるあの鋭い視線は、明らかに嫉妬に満ちていた。
やだな…
あんなに可愛くて巨乳な子に言い寄られたら、柊吾もきっとドキドキしちゃうもん…
「…おい、香純。
ちょっとこっち来い。」
私の中でどんどん膨らむ嫌な思考は、桜河の声によって強制停止された。
手招きをする桜河に大人しく従う。
彼の目の前に立ち止まると、桜河の手は私の頬にスっと伸びてきて…
反射的にギュッと目を瞑ったのと同時に、頬に軽い痛みが走る。