君のとなりで恋をします。─上─
私は、さっきの桃奈さんのことや、自分が思ったことを包み隠さず話した。
桜河は、私が話終えるまではただ何も言わずに海を眺めていた。
聞いているのか聞いていないのかわからないその態度が、むしろ話しやすくて心地よい。
私が言葉に詰まりながらも話終えると、 桜河はようやく口を開く。
「…まず、いとこのいとこって何?
それって血繋がってんのか?」
怪訝な顔をしてそう言った桜河。
「薄らは繋がってるんじゃない?
……いや、繋がってないのかな?」
‘ いとこのいとこ ’って、聞こえは親族っぽいけど……
よく考えてみたら血なんてほとんど繋がってないんじゃ…?