サヨナラのために


私が友達作りが下手くそなこと知ってるから、気にかけてくれる。


ずっと、私が、あなたを縛ってる。


「俺が一緒に帰りたいから、言うんだよ」


まっすぐな目に見つめられて、私はまた胸が痛む。


誠也のこの目に、私は逆らうことができない。


「…分かった、下駄箱で待ってる」


「うん」


じゃあまた後でな。


そう言って誠也は笑う。


胸が苦しい。


…本当は、誠也に心配されることが嬉しい。


私はズルい女だから、心のどこかで誠也を待ってしまう。


だから、誠也の優しさは、嬉しくて、でも、辛い。


ダメだって分かってるのに、優しい嘘に甘えてしまう。


ねえ、誠也、ごめんね。


あなたを失うのが、怖くなってる。


手放さなきゃいけないって、分かってるはずなのに。

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