サヨナラのために


小学生のときから、誠也を応援するのは私の役目だった。


いつも一番前で、大きな声で頑張れって言って。


私の、特等席だった。


「岡本先輩!」


頬を染めながら誠也に駆け寄る一年生。


私は顔を背けて通り過ぎる。


今すぐあなたの腕を掴んで走り去りたい衝動に駆られる。


黒い独占欲が、胸を締め付けた。

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