身ごもり秘夜~俺様御曹司と極甘な政略結婚はじめます~
両親は、閑が来てくれたことと突然の姉の帰宅に大喜びで、食卓は賑やかなものとなった。煮魚は母と琴音で半分にして、それを見た閑が恐縮していたけれど。
「閑がそんなに遠慮したら、手土産もなく帰ってきた上にしっかりおかずも食べてる私の立場がないじゃない」
可乃子がそう言って笑いを取って場を和ませていた。こういうところが姉は上手だと、琴音は思う。
和やかに食事の時間は過ぎた。琴音が食器の後片付けをしおえると、母親が冷蔵庫からプリンの箱を取り出した。
「琴音、お茶の用意をしてくれる?」
「わかった」
父はコーヒーで、母、可乃子、琴音は紅茶と、洋菓子の時は昔から決まっている。
「閑さんは、コーヒーと紅茶どっちがいいですか?」
リビングに目を向けると、背を向けてソファに座っていた閑がこちらを向いた。
「どっちでもいいよ」
「コーヒーも紅茶も両方入れる予定だから、閑さんの好きな方」
「じゃあ、コーヒーで」