身ごもり秘夜~俺様御曹司と極甘な政略結婚はじめます~
トレーにカップを並べて、コーヒーと紅茶を入れていると、にぎやかな声が聞こえてくる。
「わ、綺麗。美味しそう」
「あら、本当」
プティミエルのプリンは、種類が豊富だ。可愛らしいカップに、通常の味から抹茶、チーズ、チョコレート、ミルク、カフェオレ味など年中あるものから、季節限定の果物が飾ってあるものまで、琴音はいつも目移りしてしまう。
「あ! この苺のやつ可愛いわね」
可乃子の声に、ぴくっと顔を上げた。苺なら季節ものだ。琴音だって選びたい。
「あ、待って……」
「私、これにし」
「琴音」
何かを選ぼうとした可乃子の声を遮って、閑の声が琴音を呼ぶ。その声はやけにはっきりとしていて、一瞬誰の声も止まった。
「早くおいで。どれがいい?」