身ごもり秘夜~俺様御曹司と極甘な政略結婚はじめます~
閑の隣にいる可乃子も琴音に向かって、首を傾けて小さく微笑む。
『と……美女』
『うるさいなあ、似てないって言いたいんでしょ?』
子供の頃から比べられて育ったので、けなされることにはもう慣れっこだ。
『えっ? いや別に比べて言ったわけじゃ』
同級生を軽く横目で睨みつけて、閑と可乃子に近寄った。
『閑ちゃん! 久しぶり』
『ああ。大きくなったな、驚いた』
『その割にはすぐ気づいてくれた! ねえ、なんで一緒にいるの?』
最後に会ったのは四年前だ。琴音はまだ中学一年だったし、それからぐんと背が伸びて、見た目はかなり変わった。
大好きな『閑ちゃん』との再会に、場所を忘れてついテンションが上がる。
『閑とは大学が近いのよ。だから良くレポート一緒にやってるの』
『えっ。そうなんだ』
可乃子の視線が閑に戻り、微笑み合った。ふたりの前には、何か難しそうな専門書が広げられていて、ノートとレポート用紙、シャーペンがそれぞれの手にある。
『琴音はK高だろ。頑張ったな』
『え、うん。お姉ちゃんにはかなわないけど、私なりにはまあ、頑張って入ったほうなの』
制服のブレザーの袷を、なんとなくぎゅっと握る。当然のことだけれど大学生のふたりは私服で、子供の頃よりもずっと、おいてけぼりをくらったように遠く思えた。
『ふたりはいつ再会したの? 全然知らなかった』