身ごもり秘夜~俺様御曹司と極甘な政略結婚はじめます~

「特別っていうか……優しくしてくれる、し」
「ふうん?」
「私も、これで良かったと思ってる」

 さっきの可乃子の質問に答えて、可乃子の表情を見る。すると、にっこりと余裕のある微笑みを浮かべてくれて、ほっと気が抜けた。

「そう。だったら……おめでとう」
「うん。ありがとう」

 そう言うと、可乃子は笑ったまま、けれどそれきり何も言わずカップを水洗いしはじめた。

「あとはこれだけだし。琴音はもう、閑のところに行きなさい。もう少ししたら、帰っちゃうんじゃない?」

 かちゃかちゃと陶器のカップの音をさせながら、食洗機の中へ並べていく。手元に視線を向けたままで琴音の方を見なかったが、声は優しかった。
 

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