身ごもり秘夜~俺様御曹司と極甘な政略結婚はじめます~
両親は、泊まっていけばいいと閑に勧めていたが、明日も仕事だからと閑が帰り支度を始めた。
結局、ほとんどふたりで話せなかった。けれど、このまま帰してしまうのは、あまりに寂しすぎた。
――コインパーキングまで、送って行ってもいいかな。
玄関で靴を履く閑の背中に、声をかけようとした時だった。
「あの、閑さ」
「閑! コンビニまで一緒に行って? ちょっと買いたいものがあって」
なぜか、さっきは祝いの言葉をくれた可乃子が琴音の横をすり抜けて閑の後に並ぶ。彼の後に続いて靴を履くつもりらしい。
「何、買いたいものって」
「いいでしょ、なんでも。パーキングの少し先にあるから」
――ちょっ、なんで⁉ お姉ちゃん……っ
閑と可乃子のやり取りを黙って聞いていれば、本当にこのまま可乃子は閑について行ってしまう。
考えるよりも先に、身体が動いた。