身ごもり秘夜~俺様御曹司と極甘な政略結婚はじめます~
「ちょっと、飲み物を買いたいと思っただけ。ミルクティ買ってきてくれる?」
にこっと笑顔を浮かべ、可乃子は手を振る。わかった、と閑は頷くと、両親に向かい会釈をして、それから琴音に視線を戻した。
「行こう」
手を引かれて、ふたりで家を出る。小さな玄関ポーチを一歩出ると、身体が軽くなった気がした。それは閑も同じだったようで、大げさなほどの深呼吸の音がふたり同時に重なる。
きっと、気疲れしたのだろう。仕事の後なのに、それ以上に疲れさせてしまったかもしれない。
「お疲れ様」
申し訳なくそう言うと、彼はぼそっと呟いた。
「やっとふたりになれた」
反応できずにぴしりと固まる。隣を見れば閑は本当に疲れた顔をしていて、琴音の視線に気が付くとくしゃりと笑った。
「琴音こそ、お疲れ様」