身ごもり秘夜~俺様御曹司と極甘な政略結婚はじめます~
コンビニはすぐそこで、可乃子に頼まれたミルクティを買って閑に送ってもらい、十分ほどでお別れだ。
次は恐らく、二週間後の結婚式になる。
ピピッと電子音がして、車のロックが外れた。車に乗ってしまうと後は少しの時間しかないと思えば、するりと素直な言葉が出た。
「また、しばらく会えませんね」
忙しいのに、わがままを言ってるように聞こえたなら、申し訳ない。出来るだけ軽い口調で言って、繋いだ手を解いて助手席側に回ろうとした。
けれど。
「ひゃっ?」
再び手を掴み引き戻されて、驚いて見上げる。とん、と背中に車の固い感触が当たった。
「寂しい?」
「え……?」
いつになく、強い力加減だった。口元は微笑んでいるのに、視線は強い。囚われて目を逸らすこともできず、一度唾を飲む。閑の前髪が、琴音の額に触れるくらいに、すぐ間近まで彼が顔を寄せている。
正直な気持ちを言うまで離してはくれなさそうで、たっぷりの時間をかけて琴音は唇を開いた。
「……寂しい、」
言い終わるよりも早く、その唇は塞がれた。触れた一瞬は、いつものように優しいものだった。けれど食むように唇を擦り合わせ、疼くような官能に小さく身を震わせてしまったのを、気づかれたのかもしれない。
「んんっ……?」
顎に手を添えられた次の瞬間、深く割られた唇の隙間から濡れて温かな舌が琴音の舌先を擽った。