身ごもり秘夜~俺様御曹司と極甘な政略結婚はじめます~
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可愛らしい、カジュアルレストランのテーブルに琴音が母親とふたりで座っている。遠目からでもすぐにわかった。一歩近づくごとに、目鼻立ちや頬の輪郭がはっきりとしてくる。
「……閑ちゃん」
すぐ間近まで近づけば、大人になった琴音がぽかんと閑を見上げ、子供の頃と同じ呼び方をした。とてつもない懐かしさが胸の奥から込み上げて、知らず心の奥から解れるように自然と笑みが口元に浮かぶ。
ただ少し残念なのは、幼い頃のように手放しで飛び込んできてはくれなかったことだろうか。明らかに戸惑っている様子の琴音に、その笑みは苦笑いに変わった。
懐かしい、けれど、よそよそしい雰囲気を漂わせる琴音に一抹の寂しさを感じる。
大人になったと思うと同時に、自分ほどには会いたいと思っていなかったのかもしれない彼女の表情は、喜びよりも戸惑いの色が濃い。