身ごもり秘夜~俺様御曹司と極甘な政略結婚はじめます~
こんなにも甘えさせてもらっていいのだろうか。それとも世の中の新婚夫婦は、みんなこんな感じなのだろうか?
絶対違う気がする、と思いながらも琴音は閑の肩が心地よくて、そのまま身を委ねる。
結局その日、本当に閑が食事を作ってくれた。なんだかんだ、彼は琴音よりも生活力がある。初めて見るレシピでも、手間取ることなくささっと作ってしまうのだから。
ささみと梅干の和え物や酢の物、冷麺とさっぱりして食べやすそうなメニューがテーブルに並ぶ。きゅうりはやっぱり入っていなかった。
仕事で疲れているはずの閑に家事をさせてしまったことが申し訳なく、休日明けの月曜日、琴音は気合を入れた。
具体的に、どこが悪いとかではないのだ。家事くらい、やろうと思えばできる。
朝、いつもより早く起きて休日のお詫びにと手の込んだ朝食を作った。だけどやはり、閑の目には琴音があまり良くなったようには見えないらしい。
「琴音、病院に行こう」
玄関で仕事にでかけるはずの閑がそんなことを言う。
「本当にしんどかったら自分で行けるよ、大丈夫」
「顔色も悪いし、このところ夜寝ていたら熱が出てるんじゃないかと思う時がある」
「それは熱帯夜だからだと思う。エアコンつけててもなんか寝苦しいし」
「この前、友達と飲みに行った日の辺りから、ずっとだ。やっぱりおかしい」
平気だ、と言おうとしたが、あまり頑なでは余計に心配をかけるのかもしれないと思いなおした。